Industrie 4.0 調べてみた その6 〜製造をプログラミング?〜
概要
モジュール化 × デジタルツイン = 製造プロセスのコーディング?
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こんにちは。
前回は、IoTと管理シェルでモジュール化をしますよ、それからそれぞれのモジュールのデジタルツインを実現しますよ、という話でした。
モジュール化 × デジタルツイン で⾯⽩い世の中が想像できます。
それは、製造プロセスのコーディング(プログラミング)です。
オブジェクト指向の、クラスとインスタンスに対応する現実世界の物事をモジュールとコンポーネントとここでは表現します。
オブジェクト指向のプログラムのように、各モジュールに対応するクラスを定義することができます。
そして、クラスに対応した管理シェルをかぶせることで現実のモノはモジュールとなります。
例えばデジタルでRobotArmというクラスを定義し、対応する管理シェルを現実のロボットアームに搭載すれば、そのロボットアームはIndustrie4.0モジュールになります。
このとき、そのロボットアームがFANUC製だろうが三菱電機製だろうが関係なく、デジタル上では同じクラスとして扱えるようになります。
その状態で、コード上でRobotArmクラスのインスタンスを宣⾔すれば、現実世界のロボットアームがコンポーネントとしてアサインされます。
さらに、宣⾔したインスタンスに命令を与えると、対応するコンポーネントであるロボットアームによる加⼯が始まります。
上の図の例でいうと、RobotArmクラスのroboArmインスタンスを宣⾔し、プリント基板を加⼯してという命令drill(PCB)をroboArmインスタンスに与えます。
すると、現実世界でRobotArmクラスのモジュールだと管理シェルによって定義されたロボットアーム群のいずれかが、roboArmインスタンスに対応するコンポーネントとして、ドリル加⼯を始めるということになります。
ロボットアームのような装置を例にしましたが、Industrie4.0の思想ではモジュールの区切り⽅は装置に限りません。
複数の装置が接続された制御盤やシステム全体、ライン、部署、会社、いずれもそれぞれに適切な管理シェルが被さり、モジュールとして認識され得ます。
例えば、繊維クラスのインスタンスを⽣成したとき、現実では旭化成や東レなどの繊維会社がコンポーネントとしてアサインされるイメージです。
ロボットにある加⼯をしなさい、という命令をプログラムすることもあれば、会社に製品を作るようプログラムすることもあるでしょう。
こういう概念は参考資料に明確に書かれていました。
これだけだと普通じゃん!という感じなのですが⼤事なのは、管理シェルで個性が消されているので、世界中のどのロボットアームがアサインされてもいいということです。
とすると例えば、⽣産技術を横展開しやすい、企業間連携がスムーズになる、などいろいろな解釈ができます。
⼀例に、サプライチェーンについて考察してみます。
現状、各企業が独⾃のサプライチェーンを作って商品を⽣産しています。例えばプラ製品を考えたら上図のような感じですね。原料サプライヤーを変更したら製品に不具合が出たという話はよく聞きますので、如何に安定、安価なサプライチェーンを作るかが競争⼒にもなっているかと思います。
この場合は、同じ加⼯をしようと思っても業者を⾃由に選べるわけではありません。
管理シェルによって各企業の個性が消されると上図のようになります。どこから調達してどこに供給してもよくなります。
加⼯の命令が打ちこまれると、どこかのキャパに余裕のある企業が⾃動的にアサインされ、命令に対応します。標準化されているのでそうしても不具合は起きません。
というように、⽇本の事務所のPCで1⾏コードを打ち込むだけで、⾃社内に限らず世界のどこかにあるIndustrie4.0コンポーネントが動いてモノを作ってくれるようになるかも。
夢が広がりますね!