のらケミスト

中小化学企業で新規事業とか技術開発している人のブログ。技術的な話とか転職の体験談をご紹介。

問題解決プロセス【大企業サラリーマンの標準装備】

こんにちは。また週末に台風接近ですか?

今回は「問題解決プロセス」についてです。
なんとなく言外の意味が乗っちゃった感のある問題解決プロセスです。

「問題解決プロセス」というと、
なんかトラブったから頑張って丸く納めたよ!
みたいなことのように感じますが、研修屋さん界隈で問題解決といったらギャップ分析して云々という香ばしさが出てきます。
間違いなく、机上の空論好きにはウケる論法なので大企業サラリーマンには必須装備となってます。

概要

  1. 理想状態を定義する
  2. 現状を整理する
  3. 理想と現状のギャップを明確化する
  4. ギャップが生まれている真因を探す
  5. 解決手段を考える
  6. 解決手段の効果を評価して優先度をつける
  7. 実行
  8. 評価
  9. 2に戻る

個人的な経験上、プレゼンのとき一番活躍します。現場では?どうだろう?

理想状態の定義

大企業サラリーマンの身分のときは、普通は上司またはお客さんがここは設定してくれます。
できるだけ定量的に表現しましょう。定量しておかないとギャップ分析でいきなり破綻します。
定量化って実は結構難しくって、まず評価軸と評価方法が決まってないといけません

ちなみに、しもじもの人間はここを疑うと部内の和を乱すので気を付けましょう。
研究所だと正解ではないことが多かったですが、それを言うと干されます。
例えば、体重を50kgまで落とす、みたいな感じです。

現状を整理する

設定した評価軸、評価方法で現在の状態を測定します。
例えば、今の体重は60kgです、みたいな感じです。

理想と現実のギャップを明確化

単純に理想と現実の差分ないしは割合を計算します。
例えば、落とすべき体重は10kg、みたいな感じです。

ギャップが生まれている真因を探す

原因究明にはざっくり2種類の方法があります。

  1. 仮説主導型
  2. 直感型

仮説主導型は、こういう原因があればこういうことが起こるはず、という仮説を網羅的に立てて、原因の全容を可視化し、そのあと本当にそういう現象が起こるかデータを探したり検証したりします。
網羅的に探索でき見落としをなくせる、優先度を事前に適切に設定でき効率を上げられる、報告書がきれいに作れる、といったメリットがあると思っている大企業サラリーマンは(特に本社スタッフ系に)多い気がします。(まぁ、初めから全容が見えたら苦労しないですね。。)

直感型は、なんとなくこれが原因な気がする!と思ったものから手を付けていく方法です。センスのいい人がやると一瞬で問題が解決されます。運悪く正解を引けないと泥沼にはまります。大企業ではいつ問題が解決されるか説明を求められ、資料作成や上司の意味不明なてこ入れが入ったりして作業効率が一気に下がります。今回は研修的問題解決プロセスについての記事なので、こちらの考え方は除外です。私は基本的には「数打ちゃ当たる」の精神で仕事をしているため、こちら側です。

例えば、体重が10kg多い原因を5W1Hの観点で探すと、

  • Why:なぜ10kg増えたのか?
  • What:10kgの内訳は何か?何を食べて10kg太ったのか?
  • Where:どこで10kg太ったのか?
  • When:いつ10kg太ったのか?
  • Who:誰のせいで10kg太ったのか?
  • How:何をして、あるいは何をしなくなった10kg太ったのか?

ここで、5W1Hとは、いわゆるフレームワークというやつです。
フレームワークは、昔からよく使われるとか、偉い先生が提唱したなどの権威付けがされている分類方法のことで、これを使っておく分にはMECEが担保されていると周囲から判断されやすいという特徴を持っています。
フレームワーク5W1H)に対してそれぞれ問いを設定しました。この問いをもとに原因の可能性をリストアップしていきます。
tamagoyaki1999.hatenablog.com

世の中にはいろいろなフレームワークが存在するので、興味ある人は勉強してみてもいいかもしれません。
  

When:いつ10kg太ったのか?ある時期をきっかけに体重が増えたのではないか?引っ越し、異動、期末の繁忙期、友人関係、趣味の変化などがあったタイミングに体重が増えていないか。あるいは、ずっと一定のペースで太り続けているのではないか?
といった原因の仮説が出てきます。
そしたらデータを探します。過去数年間の体重の推移を見てみると、この半年で一気に太っていることがわかりました。半年前はちょうど異動があり引っ越したタイミングです。引っ越しで何が変化したか考えてみると、会社からの帰り道になか卯があり、毎日カツ丼食べてから帰宅するようになったなーと気づきました。

解決手段を考える

原因の仮説がたったので、解決策を考えます。
解決策を考えるためにはやはり「問い」を設定するとよいです。
tamagoyaki1999.hatenablog.com

毎日なか卯のカツ丼を食べることが原因という仮説がたちました。では、

  • 帰り道なか卯に寄らずに帰るにはどうしたらいいか?

といった問いを立ててみます。

  • 帰り道を変える。
  • 帰る時間を変える。
  • 飴玉をなめながら帰る。

などの解決策が思いつきます。

解決手段の効果を評価して優先度をつける

何かモデルや参考になる過去の事例があればそれをもとに効果の大きさを予測します。
手を付けやすく、効果の大きい対策の優先度を高く設定します。
定量化できない対策は、pros. cons.の比較表を作ってえいやーで優先度決めましょう。

実行

計画したからには実行しましょう。
大企業サラリーマンの中には計画立てることばかりやって実行しない人が一定数います。パワポで評価が決まるので、わざわざ時間のかかる実行をするインセンティブ低めです。が、本当に価値があるのは実行だと私は信じています。

ダイエットのために飴玉をなめて血糖値上げながら帰ることでなか卯に立ち寄りたい気持ちを抑える対策を実行しました。

評価

対策を実行したあと、最初に決めた評価軸と評価方法で効果をモニタリングします。

1か月飴玉作戦を継続した結果、むしろ体重が増えるペースが上がりました。
この結果を受けて再度問題解決プロセスを回したところ、なか卯に行く頻度が減ることはなく、むしろ飴食べている分摂取カロリーが増えていることがわかりました。

大企業サラリーマン必須の武器、問題解決プロセスでした。