大企業で好きなことをやる方法~部署のミッション以外のことがしたくなったらどうする?~
こんにちは。
先日下のような記事を書きました。
部署のミッションの範囲で好きことやるための手順書です。
tamagoyaki1999.hatenablog.com
今回は、部署のミッション外のことがやりたくなっちゃったときどうしよう?という話です。
これはちょっと難易度が高く、今後のサラリーマン人生を不利にしかねない。それなりにリスクがあります。
が、もしうまく進んだとき部署内で成果を積み上げるよりも早く会社での存在感を発揮できるようにもなりますし、全部自分で考えて実行することなので転職活動なんかで面白エピソードとして使えます。
私が開発系なのでその観点で書きます。事務系には事務系のやり方があると思います。
やりたいことを明確にする(ゴールの設定)
以下の手順でやりたいことを明確にします。
テーマを決める
→目標(この活動で出す成果)を決める
→実作業を考える
→必要なリソースを考える
テーマを決める
例によって、ここが出発点です。
これがないと以降のモチベーションなんて上がりませんし、上司含む外野からの助言(妨害)で心折れます。
難しく考えることはなくて、これやったらなんとなく面白そう!というネタで私は十分と思ってます。
目標(この活動で出す成果)を決める
ただ大企業内で企業のリソースを使ってやる以上、人事評価と同僚からの評価は大事です。
勝手にやることでも最終的には会社が認める成果にしないといけません。
なので、テーマをなんとなく決めたら次は成果を出すプランを立てましょう。
私は開発系の仕事しか知らないので、開発職の成果について書きますが、例えば以下が成果として認められる可能性があります。
- お試し実験データ
- 特許出願
- プロトタイプ作成
- ユーザーワーク結果
【余談】成果にならない仕事
逆に、なんの成果にもならない代表例が以下です。
- 計画書
- プレゼン資料
これ結構はまりやすい落とし穴なんですが、計画書なんて真面目に作っちゃいけないんです。
提案をしてNG出されるときって大体が、
といったいろんな質問をされ、それらがそろってないなら承認するわけにはいかないな~、みたいな言い方をされます。
で、このやり取りを真面目に受け止めると、聞かれたことを調べて計画書を練り直すのですが、実はそんなこと求められていません。
NGを出す上司の心理は基本的に下のような感じです。
- うわ、この提案興味湧かない
- どうにかして自分の主観でNG出してないことにしなければ
上述した質問というのは、提案段階では絶対にどこかの要素が不確実です。なので上記質問をしておけば100%ロジカルにNGということができます。
逆に上司がOKしたくなる提案というのは、
- 上司の趣味に合致している
- 確実に成果が得られそう
のどちらかです。
PDCAのDが1mmでも進んでいることが重要です。少なくとも1mmのDの結果がポジティブであれば上にポジティブな報告ができます。
少しでも実行と結果を成果にできる目標を設定しましょう。
気持ちを強く持つ
これから考えることはまだプラン段階なので、「できない」という言葉を禁止する。
できるかどうかはプランと行動次第。プラン時点での「できない」は百害あって一利なし。
手持ちの武器を整理する(現状分析)
目標達成に必要なものをリストアップします。
例えば開発業務で特許出願をゴールにした場合、
- 時間
- 人(プロジェクトマネジャー、技術者、実行担当者、アドバイザー)
- 作業室(部屋、倉庫、水道、電気、その他用役)
- 消耗材
- 装置
- 資金(消耗材費、設備費、外注費、出願費用等)
これらの中で何が調達可能で何が調達できていないか整理します。
例えば、以下。
- 時間:本務が定時で終わる量なので、残業時間が利用可能。残業の許可は得ていない。
- 人:プロマネ→自分。技術者→自分。実行担当者→自分だけだと時間が足りない。誰か見つけたい。アドバイザー→○○について自分に知見がない。専門家を味方につけたい。
- 作業室:○○室に空いているスペースがある。利用許可得ていない。水道、電気、その他用役は既設。
- 消耗材:一部は本務で使用するものを流用できる。一部は自腹で購入可能な額。一部は会社経費で買いたい。
- 装置:一部は自分の部署にある。勝手に使用して問題ない。○○部が保有しているらしい。
- 資金:1万円くらいなら自腹で購入。5万円超える買い物は会社のお金でやりたい。自身に決裁権限はない。
リソースの確保に動く
足りないリソースは明確になったのでそれらを調達しに行きます。
方法は、「とにかくいろんな人にやりたいことを話す」です。
1万人を超えるような大きな企業だったら、どこかに自分のアイデアに共感して協力してくれる人がいます。
そしてそういう人は穴のない計画書なんてなくても協力を約束してくれます。
そういう人に出会うまで話しまくりましょう。
コンタクト方法は、
- すでに知り合い
- 知り合いに紹介してもらう
- 上司等に紹介してもらう
- 人事に聞く
- 懇親会等で探す
- 勝手にメール送る・電話かける
時間
自分の業務時間は直属上司の管轄。裁量労働制なら何も気にすることはない。
上司に残業の申請
→(NGだったら)自己研鑽とういことで会社のリソース使わせて。残業代は不要です。
→(NGだったら)上司の上司、人事、他部署の管理職などに相談
→(NGだったら)社内における信用ポイントが低すぎ。発信力を身に着けるところからやりなおし。
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人
人の調達は、以下がポイント。
- 自発的に参加する
- テーマに共感してくれる人
- 仲良し
- 成果が上がりそうなことに積極的な人
- 暇な人
- 上司命令で参加する
- 自発的に参加してくれる人の部下が協力してくれる場合もあります
実行担当者:アイデアを社内の人に話して、一緒にやってくれる人が現れることを期待。一緒にやってくれる人が社内で評価されるための根回しもしてあげる。
アドバイザー:アドバイスくれるだけの人なら結構簡単に見つかる。飲みに行ってヨイショするくらいで気持ちよく協力してくれる。
作業室
- 本務で自分に割り当てられている場所でやりくりする
- 社内で空いているスペースを探す
- 大きな会社だとR&D系の部署には建物含め遊休資産が大量に眠っている
設備
これまで構築した人脈を使って社内をくまなく探す。
大きな会社ならほとんどの装置はどっかにある。
メンテナンスが必要なら自分でやる。
簿価が低ければ上司に相談して移管してもいい。
消耗材、資金
上司から調達するのが基本。ただそれ以外の財布があってもいい。
社内に財布を複数持っていることはサラリーマンの重要能力。
調達先ですが、おそらく以下が候補として考えられます。()内は私のいた会社のイメージです。
- 直属上司(10~50万円くらい案件。)
- 部長(100万円超えてくる案件。直属上司が話を聞いてくれないとき。)
- 別の部署の管理職(部長以上でないと他部署にお金落とせないかな?)
- 所長(500万円超えてくるような案件。上司、部長が話を聞いてくれないとき。)
- 役員
- (もしあるなら)自己研鑽制度やテーマ提案制度等、社内の公募資金
- 社外の助成金(社外を巻き込む活動を勝手にやるのはリスキーですね。それなりの覚悟が必要。)
活動資金って上司からしかもらえないと思ってません?
予算なんてどこの部署から引っ張ってきてもいいんですよ。これ知らない若手多い気がする。
たぶん管理職の方って自分の労務費持ってくれる上司を自分で探してるんですよね?いつかみんな通る道です。
計画を立てる
計画を立てます。下のレベル感でOKです。
アングラ活動なんてマイペースにやればいいことですが、締め切り設けたほうがやる気はでます。
あと支援者への報告書みたいなものです。
実行
リソースが確保できたらあとはやるだけです。
やり始めたら本務の時間も侵食してくるはずです。
上手に時間分配しましょう。
支援者への報告と部外者へのPR
- 面白い結果が出たら逐一支援者へ報告
- 社内でプレゼンする機会を探してプレゼン。たいてい○○懇親会とか勉強会とかありますよね。
- 社外にPRする場合は、上司、知財、広報、人事あたりと相談して、内規に反しないよう注意。
実績化
アングラ活動はいつまでもアングラではいられません。
また、活動しやすさは自身の評定の高さに比例します。なので、アングラ活動も可能な限り人事考課の対象になるよう実績化します。
実績化は大きく以下2つの方法があります。
数字化
成果を人事考課につながりやすい定量指標に変えます。
技術者だと特許出願件数、共同研究件数、開発した製品グレード数、開拓したユーザー数、アングラ活動による売り上げ増加量、などがわかりやすいです。
この定量指標は、色のつかない数値、本務の実績と混同される数値が好ましいです。
出願数10件の人と、1件の人、どちらが優秀そうに見えるかといえば、普通は中身を確認することなく10件の人を優秀と判断するでしょう。
一方で、「世界No1のチャンピオンデータを出しました」だと、そんな仕事やらせてないよ、などの疑義が生じます。
アサイン化
基礎研究に近いほど、期首の計画通りに進まないことを誰もが理解しています。
なので、人事考課のための目標をとりあえず期首に立てますが、期末には出た成果をベースに目標を書き換えるということが往々にしてあります。
このタイミングでアングラ活動のデータを出します。
これが期首に上司と握った目標・成果よりも面白いものであれば事後的にでも人事考課の対象に入れ込むことはできるでしょう。少なくとも、来期の正式なテーマにしてもらえるよう交渉はできます。
こんな感じの活動をすれば部署のミッション外の活動もできたりします。
好きなことをやるためには、めんどくさい根回しや、本務がおろそかになって評定を下げるリスク、事故を起こして周りに迷惑をかけ自身の出世を阻害するリスク、周りからの白い目、自身の活動を正当化するロジックなど、正直あえて抱えなくてもいい面倒をたくさん抱えないといけません。
まぁ、そうはいっても大企業の組合員なら労組が守ってくれますし、
どんなに評価低くなっても大卒なら40歳くらいには700~900万円くらい給料もらえますし、
東芝(不適切会計)や東電(大災害)が生き残るくらいなので会社がつぶれることも稀ですし、
生活が破綻することはありません。
大企業社員というだけでマリオで言ったらスター状態なので、落とし穴だけ気を付けましょうという感じです。
忘れがちなことですが、大企業は、「やりたい!」と声を上げたら何も言わずに支援してくれるようなハッピーな空間ではありません。
でもリソースはすべてそろっていて、物理的にはなんでもできる空間です。
大企業が大企業でいるうちに、たくさんの大企業サラリーマンがチャレンジして世の中をよくしてくれることを願うばかりです。
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