大企業で好きなことやる方法~見積書を出して方向性の主導権を握る~
こんにちは。
大企業で好きなことやるために、見積書を作ります。
今回はやりたいことが部署の目的の範囲内の場合について書きます。
- やりたいことを明確にする
- 上司がやってほしいと思っていることをリサーチする
- やるべき論を作る
- 仮のスケジュールを書く
- 資料を作る
- アサイン面談で見積書の内容を合意する
あなたのやりたいことはなんですか?
ここが出発点です。これがないと以降のモチベーションなんて上がりませんし、上司との言い合いで心折れます。
難しく考えることはなくて、これやったらなんとなく面白そう!というネタで私は十分と思ってます。
私は、ある入社3年目のときにある技術開発に10年くらい人生かけようとなんとなく決めました。
理由は、まだ世の中に普及してない技術で今の常識をひっくり返せる可能性がゼロじゃない気がしたから。
開発に何年かかるのか、最終的な商品形態がどうなるか、ビジネスモデル、市場規模、何も確たるものはなかったので、その仮説は本当か!?と聞かれた瞬間に回答不能なテーマでしたが、材料のR&Dなんてそんなもんでしょと思って意思決定しました。
半分くらいの人は、やりたいことを漠然と持っていて、でもやるべき理由がわからないというパターンだと思います。そういう人は、一回勇気を出して、やりたい!と言ってみると世界変わるかもしれません。
もう半分は誰かの指示通りに働きたい、職場は自分の意思を実行する場所だと思ってない人。こういう人も、今時分、ほっといても仕事なんて湧いて出てくるので何も考えなくて大丈夫です。
誰か尊敬できる人のもとで全力で働きたい系のバリキャリさんは不本意でしょうがこの記事では後者に入れてます。
ちなみに、この手の記事の文脈では、指示待ち人間をダメ社員代表みたいな風に書かれることが多いですが、私は全くそんなことはないと思っています。実際、大企業のエース級にも指示がないと動けない(動かない)人ゴロゴロいます。ただ、彼・彼女らは指示が出たとたん凄まじいスピードとクオリティで指示をこなしていくのでめっちゃ評価されてますし、彼らが世の中を動かしているのは間違いないです。
上司のために働くから給料がもらえる
上司は自分のパトロンだと思って気を遣いましょう。
自分のやりたいことにお金出してくれるのは上司ですからね。
大企業の場合、人1人チームに抱えるとそれだけで労務費2-3000万円計上されます。
全然上司がやりたいことやらせてくれないと嘆くかもしれませんが、上司からしたら人1人抱えてるだけで火の車です。
その中で上司も自分の好きなことやりたいと思っていたりするわけです。
自分の労務費を稼いでくれてることへの感謝を忘れず、おかわりを要求しましょう。
日頃からコミュニケーションをきちんととる
上司も人間なので建前よりも本音に刺さる提案の方がうけます。
なので日頃からしっかりコミュニケーションとって本音で話せる仲になっておきましょう。
- 上司の上司から求められていることは何か?
- 上司はそれに対してどうやって応えようとしているか?
- 本当はその目標設定についてどう思っているか?
- 本当の本当はどんな仕事がしたいのか?
こんなようなところですね。
飲み会なんかだとフランクに聞き出せます。私は飲みニケーション賛成派です。
ゴルフでも他のスポーツでもなんでもいいですが、プライベート色の強い空間で聞き出しましょう。
スーパー建前上司だと頑なに3, 4番を話しません。自分の理想を持ってないだけかもしれません。
その場合は建前だけで勝負すればよいので楽と言えば楽です。
やるべき論を作り込む
大企業で優先されるのは、以下の順番です。
1番は、ロジックがあろうがなかろうが、実績があろうがなかろうが優先的に実行されます。ここはスーパー建前プレーヤー(YESマンとも言う)の独壇場です。
2番は、アングラでもうすでに実行済みのことが初めて水面下から出てくるときの話です。出ている成果を出しますと言う成功率100%の良案件なので通ります。
3番は、基本的には通りませんが、使うお金と時間が少ない場合、アングラ案件として通る可能性があります。最低限このレベルのロジックを作り込みます。
上司のやりたいことに貢献するかのようなロジックを組む
まずノートの一番上に部の目標だったり上司のやりたいことだったりを書きましょう。
真ん中くらいに自分のやりたいことを書きましょう。
自分のやりたいことがもたらす効果をわーっと書いていきます。
自分のやりたいことを実行するために必要な要素もわーっと書いていきます。
部や上司のやりたいことに必要な要素も想像でばーっと書いていきます。
あとは想像力で繋ぎます。
要素と要素を繋いだところにはエビデンスを用意する。これまでの経験、書籍、ホームページなど引用先を明示する。
エビデンスはドンピシャなもの、拡大解釈すれば適用できるもの、存在しない、の3段階あります。どの段階かも明記します。
これでやるべき論はほぼ完成です。こんなレベルでOKです。というか、これ以上はたぶんできないし時間の無駄です。
悠久の時を生きる大企業サラリーマンにとって2ヶ月などあってないようなもの
自分がやりたいことと、上司に求められていること、両方込みのスケジュールを立てます。
- エクセルを起動します
- 左端に活動タイトル、その右側に月を書きます
- 抽出した必要要素を活動の下に羅列します
- 各活動でどのくらいの期間が必要か考え矢印を引きます。期間は自分の想定+1, 2ヶ月見込んでください。
- すべてが一年できれいに終わるように矢印の長さを調整します。決して見栄をはってはいけない。100%こなしても時間が余る程度にする。
ここは絶対に無理のないスケジュールを組みます。100%やりきれる自信のある予定を組みましょう。
大企業の評価は、合意した目標に対して何%達成したかで決まります。
従って、高評価を得てこの先も有利に職業選択していくために、絶対に低い目標を高い難易度で合意しましょう。
見積提案書を作る
普通にお客さんとかに用意するような提案書を作ります。
- 1年後の成果物
- それにより上司または部が受けとるメリット・利益
- スケジュール
が書いてあればOK。組み立てたロジックは手元資料として開示しない。
ポイントは、
- 部の方針に沿っていること
- 全力で働くんだけどこんなに時間がかかること
を説明するロジック。
合意を得る
大企業だとだいたい期首期末の面談があるのではないでしょうか?
そのときに資料を持参して来年度のやりたいことを提案します。
その機会がなければ、自分からセッティングします。
説明するときは、
- 一年後にこういう成果を出したいと思っています
- それによって部にこれだけ貢献できると考えました
- スケジュールはこんな感じです
をまず話して、あとは、
- 実行可能であること
- とにかくやりたいと思っていること
を主張しまくりましょう。たぶん水掛け論になりますが、どちらの主張も合理性があることに合意できたら妥協点を探りに行きます。
ポイントは勝てる勝負でも勝たないことです。
上司の言い分も大変合理的でよくわかる。一方で自分の言い分にも理はあり、そして自分はどうしてもやりたいと思っている。これを実行したとして、少なくとも上司に不利益は発生しないと思うし、なんならこんなATAらしい展開も見えてきます。
こんな主張が良いと思います。
こんな感じでいけば、結構自由に仕事とれます。
総じて、自分という商品を売り込むスタンスが大事ですね。
どうやったら自分を買ってもらえるか?という視点で見積提案書を作りましょう。