【化学企業の現場】エポキシ樹脂の塩素不純物
こんにちは。台風直撃の日に傘忘れました。
今回は、エポキシ樹脂の塩素不純物についてです。
近年半導体の微細化が進みすぎちゃったせいか、電子材料向けの原料に対する純度の要求がえげつないです。
で、エポキシという超便利な硬化性樹脂にもその波はバンバンきているわけです。
最近キャッチーな話題の一つがは塩素フリー、つまり塩素不純物のないエポキシ樹脂です。
エポキシに含まれる塩素不純物とは?
無機塩素と有機塩素に大別されます。無機塩素のほうが嫌われます。
有機塩素の混入ルート
エポキシ化では、塩基性条件でできたフェノキシドがエピクロロヒドリンと反応します。このとき、エピクロロヒドリンの塩素のついた炭素にアタックして塩素が抜けるのかと思いきや、エポキシ環の炭素にアタックして、エポキシ環が開環したクロロヒドリンがまず発生します。そして、分子内エーテル化が起こりグリシジルエーテルとなります。
分子内エーテル化しなかったものや、アルコキシドが別のエピクロロヒドリンに反応してしまったものなどが有機塩素となります。
こんな反応なのでそりゃ不純物も混ざりますよね、という感じです。
エピクロロヒドリンの作り方
プロピレンに塩素を作用させてアリルクロライドにします。次に塩酸を作用させてジクロロヒドロキシプロパンにします。最後にアルカリを作用させてエピクロロヒドリンとなります。
これまた上述したのと同じで、閉環しなかったもの、二量体化した不純物の残りそうな反応ですね。。