のらケミスト

大手化学メーカーから素材系ベンチャーに転職した人のブログ。技術的な話とか転職の体験談をご紹介。

Industrie 4.0 調べてみた その5 〜管理シェルとデジタルツイン〜

概要

モジュール化するためにIoTや管理シェルという概念を導⼊するよ!
デジタルツインは現実世界をデジタル世界にコピーすることだよ!
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こんにちは。
前回、前々回では、PC市場では、モジュール型の製品アーキテクチャを作り、グローバル斜形分業すると利益が⾃社に集中しました!という話をしました。
話をIndustrie4.0に戻して、
製造業のモジュール化の⽅法論としての管理シェルと、
モジュール化を最⼤限活かすデジタルツイン
という概念についてです。(参考

そういえばモジュール化ってなんですかね?
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左は⽯垣で、右はレンガです。
左は不定形で、右は定形です。
左はアナログで右はデジタルです。
左は⽯選びと隣り合う⽯との相性が重要で、右はその辺気にする必要がありません。
左は⽯と⽯の間のつなぎ合わせに⼩さいこれまた不定形の⽯を使い、右はレンガとレンガの間は全部同じセメントで固めています。
左は摺合せで右はモジュールの組み合わせです。

モジュール化の要件として、

- コンポーネントの形が決まっていること

がひとまず必要そうです。

Industrie4.0でもこれらを決める必要があります。
コンポーネントの形は、リファレンスアーキテクチャでなんとなく決めました。
コンポーネントの具体例としては、装置、⼈、部署、会社、設計、製造などのアーキテクチャの軸上のものだったり、設計会社、製造職⼈など交点にあるものなどがあります。
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モジュール化のための管理シェル

次はコンポーネント間の接続⽅法ですが、ここでIoTや管理シェルという概念が導⼊されます。
ここでの接続とは情報の接続を意図しています。
コンポーネント間で情報をやり取りするには、情報のフォーマットをそろえる必要があります。
現実としては、コンポーネント間で情報のフォーマットが⼀定でなかったり、そもそも情報を吐き出すようにできてないコンポーネントも多々あると思います。
なので、
①情報を吐き出さないコンポーネントには情報を吐き出す仕組み、
②情報のフォーマットをそろえる仕組み、

が必要となります。

①のためのIoT&ロボット

例えば装置にセンサを埋め込むことで、センサ情報によって装置を監視することができますし、⼈⼒作業をロボットに置き換えることで情報を発信するようになります。⼈にウェアラブルをつけても情報を発信するようになりますね。
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②のための管理シェル

管理シェルとは、コンポーネントの上に被せてコンポーネントの情報を整えたり、コンポーネント間のコミュニケーションをしたりする機能のことです。

  • 個々の機器からのデータをIndustrie4.0仕様に修正

個々の機器の差異は管理シェルによって平準化・規格化されるため、ネットワーク上では同⼀規格品として⾒えるため、相互に接続可能となります。
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例えば、FANUCのロボットアームも三菱電機のロボットアームも同じものとして扱えるようになります。
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それらIndustrie4.0コンポーネント同⼠は管理シェルをインターフェースとして接続可能になります。
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管理シェルの実態は、ゲートウェイかもしれませんし、ソフトウェアかもしれません。組み込みデバイスかもしれませんし、後付デバイスかもしれません。センサ込かもしれませんし、データ変換のみかもしれません。マネージャーかもしれませんし、社⻑かもしれません。
現時点ではそういう感じのものという概念で、⽴場や状況によって解釈や実現⽅法は変わると思います。

ちなみに、モジュール型のアーキテクチャになった場合、各コンポーネントは管理シェルが管理できない動きを許容されなくなるはずなので、管理シェルにぶら下がるハードウェアや組織などは独⾃の特徴を出すことができなくなる可能性がありますね。

モジュール化するための⼿段としての管理シェル、なんとなく雰囲気伝わりましたでしょうか?

デジタルツインとは?

このツインとは双⼦という意味のツインです。装置等の現実世界のコンポーネントをデジタル世界で再現しようということです。
世の中でシミュレーションはたくさんやられていますし、近年流⾏りの機械学習で予測モデルを⽴ててもいいでしょう。⼿段はどうあれ現実世界のコンポーネントをデジタルで再現します。

GEのエンジンの写真なんかは見たことがある人もいるでしょう。
あるいは、モーションキャプチャでディスプレイの中の棒人間がリアルな人と同じ動きをしているのもデジタルツインと言っていいでしょう。
視覚的な表現だけでなく、現実で起こっていることが表されているならグラフでも表でもなんでもいいと思います。(画像も座標とRGBの多次元ベクトルという数字で表現もできますしね。)

ここまでをまとめると、

  • 管理シェルはコンポーネントをモジュール化しネットワークに接続するためのもの
  • デジタルツインは現実世界の各コンポーネントをデジタルで再現するためのもの

このコンポーネントのモジュール化とデジタルツインが組み合わさると、ちょっと⾯⽩い世の中が想像できるようになります。

参考図書

技術を強みに事業を展開するために知っておくべき事実。競争力は技術力も込みの総合的な力で決まる。

技術力を強みに事業展開するための代表的な戦術。

プラットフォーム企業と呼ばれる超大手企業がとっている戦略を科学的に論考。