のらケミスト

大手化学メーカーから素材系ベンチャーに転職した人のブログ。技術的な話とか転職の体験談をご紹介。

Industrie 4.0 調べてみた その7 〜GEのビジネスモデル〜

概要

社内のITプラットフォームを世界のモノづくり企業に売るよ!
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こんにちは。
前回は、Industrie4.0は製造業のモジュール化を⽬指している、それが進むと製造業をプログラミングする時代が来るかも!?という話をしました。
今回は、グローバル分業の新しい姿になるかもしれない、GEのビジネスモデルの話です。

ちなみに、みなさんGEって何をやっている会社かご存じでしょうか?
私は最近初めて何やっている会社か聞きました。
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www.itmedia.co.jp
昔はいろいろやってたようですが今は、
エネルギー・輸送・医療領域に明確にポジショニングし直したそうです。
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上の写真はGEのビジネスの歴史です。
ʼ80年代:⼤型機器の販売と修理
ʼ00年代:⻑期保守契約に基づくサービス業。機器にセンサを⼊れて稼働状況をモニタリング・分析し、適切なタイミングで保守作業を⾏う。(これがジェットエンジン販売×メンテナンス×ファイナンスによるビジネスモデル。 この話もとても⾯⽩いですが、今回は割愛。)
2012年以降、「ハードウェア主体のテクノロジーカンパニー」から「ハードウェア+ソフトウェアによるソリューションカンパニー」へと変⾰するために、2012年以降、シリコンバレーにソフトウェアの研究所を設⽴したりとソフトウェアに多額の投資をしました。
そのソフト部隊がまず⼿始めに作ったのが、社内共通ITプラットフォームであるPredixだったそうです。
近年:アナリティクスによる⽣産⼯程全体の効率化。(インダストリアルインターネット
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GEはジェットエンジン、電⼒、医療など分野の違う仕事をしていますが、基本戦略はいずれも似たような感じで、
①スマート機器(エンジン、タービン、MRIなど)の販売&メンテ
②スマート機器をきっかけにシステムの最適化
③オペレーションや運営の最適化という感じで、だんだんとお客さんへの影響⼒を強め、サービスの幅を拡⼤しています。
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このようにスマート機器販売からアナリティクスへと幅を広げていく中で、Predixという社内向けITプラットフォームも洗練されました。
ここらへんで、
Predixを外販してもいいんじゃない!?
と気づきます。

新しいグローバル分業の姿が⾒えてきます。

前の話に戻って、PCのときのグローバル分業は以下のような構図でした。
アーキテクチャの中の⼀部の部品に付加価値を集中させ、先進国が⾼付加価値部品(≒⾼価格部品)でビジネスをし、新興国が低付加価値部品(≒低価格部品)でビジネスをするという分業になっていました。
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新しいグローバル分業の姿として想像できるのは、
全部の部品が低付加価値化し(結果的に最終製品も低付加価値化)、
その代りに全部の部品関わるようなプラットフォームが存在するという構図です。
モノづくりは全部新興国に任せて、モノ⾃体には価値(価格)を乗せません。その代り、新興国企業がモノ売りで上げる利益からちょっとずつマージンを集めます。
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⾔わんとすることはわかるけど、これ成り⽴つ?と思うかもしれません。
少なくともGEは1%の効率化を実現するプラットフォームをグローバルに展開することで相当⼤きな売上が上がると想定しているようです。
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Boschも製造プラットフォームサービス事業をスタートしています。(AWSやPredixのようなプラットフォーム提供というよりSIerかな?)

  • ステップ1:⾃社⼯場をIoTやロボットによりスマート化し、出来上がったスマート機器や培った知識を製造プラットフォームという形に落とし込みます。
  • ステップ2:製造プラットフォームを外部へ提供。提供先のイベントデータは⾃社マザー⼯場に集約し、テクニカルサービスやプラットフォームの価値向上などに利⽤。
  • ステップ3:製造プラットフォームの汎⽤部分を切り出して、⾃社のポートフォリオ外の事業会社へサービスを提供

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確かに、世界経済のバランスがここ30年で⼤きく変わってきているので、ありうる気がしています。
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⼀昔前は世界のGDP総額のほとんどを先進国で占めていたので、⾼価格な商品を⾼いシェアで先進国に売るというビジネスモデルは合理的だったと考えられます。
これからは単価の超安い製品が新興国中⼼に超⼤量に出回ることでGDPが成⻑していくシナリオも考えられます。(要検証)
先進国で超安い商品を超⼤量に⽣産してグローバルに展開することが合理的かはわかりませんが、
もし、⾮合理的だったらどうするか?
現在、多くの企業はまだまだモノに⼤きな価値があるヘルスケア領域に注⼒していますね。⾼く売れる商品がなくなってきたから、新たに⾼く売れる商品を作ろう!という戦略です。
それ以外にも何かある?あるいはそれすらコモディティ化したらどうする?と聞かれた場合に、
上記のような薄く広く集める戦略も成り⽴ちそうな気がします。

「世界の経済成⻑から1%のマージンを引き抜く」

そんなビジネスモデルを考えても⾯⽩いかもしれません。

参考図書

技術を強みに事業を展開するために知っておくべき事実。競争力は技術力も込みの総合的な力で決まる。

技術力を強みに事業展開するための代表的な戦術。

プラットフォーム企業と呼ばれる超大手企業がとっている戦略を科学的に論考。